2015年 01月 21日
Vibram Hong Kong 100 Ultra Trail Race
大会は、ウルトラトレイルワールドツアーのひとつ「Vibram香港100」
香港の街を見下ろすマクレホーストレイルという道を使った大会。
制限時間などは比較的ゆるくて、100km、30時間。
エイドもほぼ10Km毎にあり、食事も充実している敷居の低い大会でした。
しかし、いろいろな理由で昨年夏からほとんど走れてなくて、 100kmといえども今の自分で完走できるか不安を抱えながらの渡香でした。
この準備不足が後々、大きな問題を生みます。
今回の旅行では、松山にあるプロショップ T-mountainの店主、菅野さんと同行し、
ホテルや会場への送りなどの一部は、MMAさん、蚊取り線香塾というチームのお世話にもなりました。
経験のある方がいろいろと教えてくださり、トラブルなくスタートできました。
今回の一番の楽しみは景色!
ネットで事前に見ていた美しい景色を楽しみたかった。
スタートして数キロ走るとすぐにその美しい景色は現れる。
海かと思ってたら、広大なダム湖。
石を積み上げて作ったロックフィールド式ダム。
まじ大きいよ。
その先では、トレイルから海に降りて、こちらも綺麗な砂浜を走る。
緯度が低い(北緯22度)から、日本とは植生や鳴き声の違う鳥の声が聞こえて、南国ムードに包まれながらの楽しいランでした。
CPも充実してて、チョコケーキ、バナナ、オレンジ、カップヌードル、すし?みたいなもの。スポーツドリンク、みそスープ、他にもいろいろありました。
結局、食料を大量に背負う必要がないから装備が少なくてよく、これも走りやすい大会となっている理由のひとつなんでしょうね。
それでCP3、約30kmあたりでトラブル発生。
体力がないものだから、一生懸命走れない自分です。
なので、走ってて脚がツルことはないのですが、(そこまで追い込めない。)
急に右もものうしろ側がピクピクし始めた。
スローダウンして負担を減らして水分も摂ってと、いろいろ手を尽くすとなんとか収まりました。
次のエイドでコーラやチョコケーキを食べてリスタート。
少し走ると、今度は本格的につりはじめた。
ここでもごまかしごまかし走る。
ほんで、CP4、40kmあたり。
両足が"つった"。
一歩も歩けん。
というか、動けんっ。
超痛い。
先に進むことも、前のCPに戻ることもできん。
まだ半分も来てないのに!
しかもこの大会は、後半のアップダウンがすごくて、一気に500mほど高度を上げるパートも待っている。
「どうしよう。」
坂道の途中で思案するがどうしようもなく、効かないとわかっていながらロキソニンを2錠飲む。
ストレッチなどしながらしばらく時間が経つと、なんとか歩けるようになってきたので、とにかく前に進んだ。
ここで思い出したのが塩分のこと。
ストンと頭から抜け落ちてたよ。
"塩"のこと。
しばらく大会に出てなかったし、準備の時間も少なくっておろそかだった。
通常なら塩や塩飴をポケットに入れて、舐めながら走るところを、
今回は、塩分のあるものをほとんど摂っていなかった。
おまけにハイドレのドリンクも家にあったアミノ酸の粉末を溶かしたもので、塩分極少。
これじゃぁ、ダメダメです。
次のCPになんとかたどり着き、塩がないか聞いてみる。
発音が悪くて「ソルト」が通じないので、携帯に「塩」と打って、画面を見せて聞いてみる。
塩ない。
なら少しでも塩分をと、塩のかかったナッツとポテトチップ、味噌汁を摂る。
オレンジがいいと聞いたことがあったので、オレンジをむさぼる。
ハイドレのドリンクを全部捨てて、スポーツドリンクに詰め替え。
これでツルようなら、無念のリタイアになるのだが、
この後、すこしずつ回復。
中間地点のCP5までなんとかたどり着けた。
ここから長い登り下りが始まる。
滅多に出られない海外の大会。
家のことを家族に押し付けて走りにきていることなどから、何が何でも時間内完走だけはしたい。
そう思って、とばさずかつCPでの滞在時間を少なくして、コース上でも休まず、ジワジワと前に進んでいく。
それにしても階段や、日本ではあり得ない急傾斜の車道が多い。
明日(1月18日(日))は徳島で千羽海崖トレイルランニングレースがスタートする。
前にエントリーしたときにその階段の多さに辟易したものだけど、香港100の階段もなかなか多いです。
登山道の一部もコンクリートで階段が作られた場所があり、歩幅が調整できないことから脚への負担が半端ない。
つらないようにゆっくりゆっくり登り下りします。
各CPで気をつけて補給しているうちに、脚の調子が悪くなくなってきた。
10日ほど前にミスった肉離れも影響なく、腸脛、脚底も痛みは少ない。
ITRの野中さんに頂いた通過時間の予想表を見てみると、なんとまだ20時間でのゴールに多少の余裕があることが分かった。
行ってみる?
20時間以内ならトロフィーがもらえるってレイコさんが書いてたし・・・
まぁすごくは頑張れんけど、少しだけ頑張って前へ前へ進む。
夜になってガスが出て、道の先が見えづらい場面があったり、香港の夜景に超接近してその美しさに見とれたり、先が見えんほど長い階段を登り下りしたりといろいろありましたが、深夜に最後のCPに到着。
90km走ってきて、ここからが一番の登り!
多少の脚の痛み以外のトラブルなく、山頂のレーダーアンテナにたどり着きました。
ここからゴールまで数キロの下り。
急傾斜のアスファルトの車道で、脚への負担が半端ない。
不摂生と運動不足で増えた体重を後悔しつつ、ペースを上げる。
20時間どころか19時間も切れそうだから・・・
キロ6分くらいまで頑張ってて、カーブを曲がると突然のゴールでした。
一時はCPにも戻れないほどのリタイヤになるのかと思ったけど、上出来のゴールにたどり着けました。
午前3時前という深夜のゴールにもかかわらず、大勢の人で賑わっていて、嬉しいゴールを迎えることができました。
装備
finetrack、パワーメッシュ
TNF、UTMFの参加賞Tシャツ(前半)
finetrack、ドラウトエアジップネック(後半)
mont-bell、EXライト ウインドパーカ
Patagonia、Strider Pro Shorts
Drymax、RUNNING LITE-MESHソックス(前半)
finetrack、メリノスピンソックス(後半)
asics、GT2000
TNF、マーティンウイング6+1.5Lハイドレパック
Head light、PETZL MYO XP
Hip light、GENTOS 777
ストック、持ってたけど使わず。
気温:冬ではあるが日中は半袖短パンでOK。日蔭は多少寒い。
夜は山頂部分で多少風が出た。
しかしALL短パンで走り切れた程度の体感温度。
香港はこの時期、雨が少ないらしい。
眠気:長い車道で少しウトウト。目を閉じて自動運転。
脚の痛み:堪え難い異常な痛さなし。太もも前後に普通の痛み。
上半身:何もなし。
くつ:左足小指に多少の圧迫感あるも、くつずれ、まめ等なし。
ライト:脚のトラブルで思考がおろそかになり、中間地点にデポしてた予備バッテリーを持たずにリスタート。
バッテリーの持ちに不安があることを途中で思い出し、減光して使用。←反省。
T-mountainの菅野さん、蚊取り線香塾の皆さん、心折れ部の皆さん、職場の皆さん、家族、
どうもお世話になりました。また、大会に参加させていただき、どうもありがとうございました。
しばらくは家族サービスと仕事に精進いたしますので、また何年かしたら出させてください。
最後に菅野さん、食べ過ぎ飲み過ぎに注意して、もちょっと練習しましょう。
更に詳しいお話は、いずれどこかの酒の席ででも。
おしまい。
by tk2000kt
| 2015-01-21 22:35
| トレイルランニング