2013年 07月 15日
ロングの練習「東温アルプス-石鎚-笹ヶ峰」
日頃の練習は、時間の関係から精々20km止り。
なので坂道を取り入れるなどしているが、
やはり6時間、12時間といった、遅くてもいいから長時間動き続ける練習もウルトラトレイルには必要。
なのでこの三連休に何とか時間を作って、ロングの練習を行った。
ルートは東温市の皿ケ峰付近から石鎚山、笹ヶ峰を越えて、新居浜市の別子という地区まで。
まぁ、山岳地図を見る限り、できるだけ長く距離が取れるのと、帰りの交通手段を考えてのルート。
問題は、競技じゃないからエイドがなく、食料や水は自分で持って走らないといけないということ。
雨も予想されるのでカッパと防寒着。
靴下やインソールのテストも兼ねているので、それらを数種類づつ。
思いのほかザックがいっぱいになった。
水は全行程分のものを持つわけにもいかず、途中の自販機や沢の水を使う。
まず東温アルプスを東に抜けた面河ダムのほとりの自販機。
土小屋の自販機
山荘しらさの自販機
この先は水場がないので、したたり落ちる水滴を探しながら走ることになる。
皿ケ峰下の駐車場に車を止めて、14時に風穴をスタート。
東温アルプスを黒森峠まで縦走。4時間。
面河ダムの自販機でコーラを楽しみにしていたところ、なんと自販機自体が撤去されていた。
店などもなく、かなり落ち込んで歩いてたら、民宿の看板が。
ダメもとで入ってみたらサイダーならあるということで分けてもらった。
堂ケ森の登り口で登山届提出。
そこには「無理な登山はやめましょう」と書かれてある。
警察の人に叱られそうだなとか思いつつ、緊急連絡先などを記載。
堂ケ森に登り始めたところでライト点灯。
きつい登りが延々と続く。
林を抜けて笹の群生地に出ても、月は三日月だしガスも出てて景色は何も見えない。
このあたりから、何が面白くってこんな時間に一人でこんなところでしんどい思いしてるのか分からなくなってきた。
天気は遠くの方で雷の光が見えるが、音は全く聞こえない。
雨も降っていない。
ガスが時々でる程度。
寒さもさほど感じず、ノースリーブのTシャツ、スキンズのタイツの上にトレントフライヤーだけで十分。
トレントフライヤーを着ているのは、伸びた笹の間を通るとき、笹についた露でずぶ濡れになるから。
靴や靴下はすぐにびしょ濡れになった。
2~3時間で堂ケ森山頂らしきところに到着。
暗くて標識が発見できず、小屋も見えない。
ここの水場で水を補給する予定だったが、しばらく探しても見つからないのであきらめて先に進むことにした。
ここでは道が四方に何本か分かれている上に、ガスで周囲が見えない状況。
くるっと周囲を見渡しているうちに、自分がどの道からきたかも分からなくなる。
これだと思う道を進んでも、間違ってて戻ってこなければならない可能性もあるわけで、
遭難して周囲に迷惑かけるよりもイイと判断し、
自分が来た道にお菓子の小袋を小枝に突き刺して目印とした。
これで迷っても、この目印に帰って来さえすれば、リトライできる。
後はコンパスと地図を頼りに暗闇をすすんだ。
結果、一本目の道は先に進むに連れて方位がずれてきたので引き返し、
二本目の道でオンコースとなった。
23時15分、石鎚山手前の二の森に到着。
ここまで大きなトラブルはないが、とにかく虫がすごい。
ライトめがけて飛んでくるので、走るか早歩きするか、ヘッドライトを消して、ヒップライトのみ点灯にしないと、目や鼻や耳に虫が飛び込んでくる。
本当にうっとうしいよ。
この練習は、季節や満月の日を選ぶべきだったな。
ここから石鎚山まで、地図の目安時間は3時間。
だいたい3分の2程度のスピードを見込んでるので、まぁ2時間もあれば、石鎚につけるかな。
笹の部分が大半を占めるルート。
笹で路面が見えないところは、石や木の根が出てたり穴があったりで、ほとんど走れない。
林間部分でも木の根が多くて、何度か滑落しかけた。
この区間を夜間に通るのはやめた方がいいです。
昼間は景色もさぞかし良いことだろうが、今は全く見えない。
01時、二の鎖に到着。
めんどくさいので山頂には行かなかった。
しばらく走れてなかったが、ここから土小屋までは自分の庭のようなもの。
コーラの自販機を目指して、一気に駆け下りる。
02時、土小屋到着。
ここで始めて休憩する。
風が吹いていたので白石小屋の玄関先で風をよけて休憩。
先日買ったモンベルのフリースが暖かい。
ハイドレーションは、二の森で沢の水を入れていたので、いったん全部捨てて、自販機の水に詰め直した。
チョコバーを食べたが、歯が知覚過敏になってしまったようで、食べづらい。
これは想定外だった。
土小屋で45分ほど休憩して、次の目標である山荘しらさの自販機を目指す。
ここからは舗装路。
ちょっと目をつむったりしながら進む。
ほんで山荘しらさ、なんと自販機が撤去されてた。
ショック。
04時、山荘をノックするわけにもいかず、そのままスルー。
意気消沈で瓶ヶ森までフラフラ。
ここで空が白み始めて、日の出。
斜面の崩落で瓶ヶ森林道はこの先で通行止めのはずだが、何台かの車とすれちがった。
こんな時刻に、こんなところで、
物好きもいるもんだ。
↑↑ 向こうに見えるのが深夜に通過した石鎚山
スルッと瓶ヶ森に登ったのはいいが、ここからの下り。
道がうもれてます。
腰上まで笹が伸びてて、地面が全くみえない。
おまけに急斜面だから足を踏み外すと落ちます。
うっすらとこの方向が道かなというところを、地形や永年の"感"を頼りに進む。
何とか車道との合流点まで下りたが、この先の西黒森も登り口からすでに道が見えない。
なので、車道をしばらく走ることにした。
ここでも朝早いのに、何台かの車と、1100GS、1台とすれちがった。
そういやぁ酸欠マラソンはどうするんだろう。
かなりの規模の崩落なので、復旧までには時間がかかりそう。
東黒森から再び山道に入り、伊予富士を通過。
石川弘樹さんのレッスンで何年か前に来て以来だ。
昨日の14時に東温市をスタートしてから、だいぶ来たなぁ。
水の残りが少なくなってきたなぁ。
雫でもいいから、どこか水がしたたり落ちてるところないかなぁ。
暑いなぁ。
どこでやめようかなぁ。
今なら寒風山の駐車場でヒッチハイクできるなぁ。
汗だくのウェアだと嫌がられるだろうなぁ。
こんなスピードなら、UTMB完走なんて、到底無理だろうなぁ。
など頭の中でつぶやきながら進む。
体調は、眠気が多少あるのと足裏のシワが深くなってきている以外に問題なし。
装備面も特に問題はない。
しかし、暑いなぁ。陽射しもキツイッ!
寒風山手前の桑瀬峠で、トレランの若者と行き合った。
リュックにはクッションシートを積んでいる。
ビバークしながら走ってるのかな。
広島の人で、初めてこのルートにきたそうで、
瓶ヶ森あたりの通行止めの話を聞かれた。
今夜は山荘しらさが目的地で、裏の避難小屋に泊まるそうだ。
笹がひどくてとても走れないこと。
道を探すのも一苦労だということ。
水場がないことなどを伝えて、健闘をいのった。
寒風山の手前あたりから、陽射しがきつくなり、眠気と水不足から、極端にペースが落ちた。
ずっと向こうのコルを霧が流れている。
あぁ、あの霧に包まれると、ひんやりして気持ちいいんだろうな。
いっそのこと雨でも降らんかななど・・・
鉄バシゴをいくつも超えて、寒風山を通過。
11時30分、笹ヶ峰の山頂に立った。
ここまでくれば、新居浜も近い。
ちち山の巻き道が、木の根や岩、笹の根などがひどくてここもまったく走れない。
面白くない道。
ちち山分かれから先の下りが、また面白くない。
延々と続く急な下りで、しかも笹に覆われているから路面の凹凸がまったく見えない。
水が流れてボコっと急に段差があったりして、腰がぐきッときたりして、
あと少しと言い聞かせながら、山岳地図の目安時間の倍ほどの時間をかけて、何とか下山。
14時22分、別子山村の大永山トンネルでゴールした。
距離:不明
タイム:24時間22分
水:5.5リッター
睡眠:00時間
ゴール後の足の状態:
東温アルプス+石鎚縦走+笹ヶ峰縦走を終えて、
トレイルランニングに来たはずが、走れたのはわずかの区間だけだった。
傾斜が急、笹が伸びすぎていることから、走れる道が少なかった。
まぁ、超長時間行動の練習にはなったかな。
次にこのルートをやることは絶対に無いけど、
誰か挑戦するなら、
満月の春か秋を勧めます。
水は多めに持つか、数カ所にあらかじめデポしておくことも吉。
自分の場合は、こんなおかしなことに同意してくれる人がまわりにいなかったので、一人で挑んだが、できれば複数人で走り、また友達や家族にお願いして、数カ所にエイドも設置したいね。
それにしても、やはり距離が知りたいなぁ。
GPSウォッチ買うかなぁ~。
※堂ケ森山頂に目印としてビニール袋を置いたことが気になるが、日頃から山行のときはゴミ拾いしているので、今回ばかりは勘弁してください。
※季節や時間帯にもよりますが、危険な個所があるので、いい大人は真似しないでください。
by tk2000kt
| 2013-07-15 16:46
| トレイルランニング